2008年度 InterRidge-J 連絡会 (地球惑星科学連合大会)議事録


日時:      2008年5月26日 12時30分開始

場所:      幕張メッセ国際会議場オーシャンB(地球惑星科学連合大会)

参加者:(順不同)石橋純一郎・宮下純夫・中村宏樹・三好陽子・佐藤太一・中村光一・野木義史・佐藤利典・佐藤暢・木下正高・小原泰彦・道林克禎・田中明子・森下知晃・鈴木勝彦・蒲生俊敬・浜野洋三・松本剛・玉木賢策・阿部なつ江・富士原敏也・岸本清行・山崎俊嗣・山本啓之・藤本博己・根尾夏紀・小林和男・熊谷英憲・沖野郷子・島伸和・浅田美穂 (以上31名)

 

0. 会議に先立ち、この連絡会が日本の海嶺研究コミュニティが集まる実質的に唯一の会合であり、ここで審議し決定したことをInterRidge-Japanの合意とすることを確認した。また、そのために議事録を正式に保存することを確認した。

 

1. 報告事項

1.1分担金について

・ 正規メンバー国は2.5万米ドル。2007年度は、大学(海洋研、新潟大)とJAMSTECで50%ずつ負担した。

1.2 2007年度に実施された航海について

・7つの海嶺・熱水研究航海が日本の研究船によって実施された。リスト等はIntridge-jウェブページに掲載。

・ ウェブ掲載用航海報告を未提出の主席研究者は提出のこと。

1.3 2007年度に実施された国際ワークショップ

・ IR theoretical Institute : Biochemical interaction at deep-sea vent and workshop (WHOI, USA)が実施され、日本から11名が参加。5名の報告書をウェブに掲載中。

1.4 Steering Committee報告

・ 石橋・熊谷(島代理)がブラジルで行われたSteering Committeeに出席した。以下、出席した熊谷代理委員からの報告が行われた。

*Principal memberに中国が入った。資金繰りが少し楽になる。

*Corresponding memberに台湾とチリが入った。

*WHOIの場合人件費が高いのが問題である。

*WGは公募の結果Imaging, Vent ecology, Mineralization, Explorationの4つを採択前提に修正中。現行WGのDeep Earth Samplingは一応の活動を終えたとし、Ultraslow Spreading RidgeはWGの構成要件を満たしていないので再考。

*WHOIのオーバーヘッド分や人件費など、どの国で事務を置くかで格差が生じないかとの質問に対し、事務局を招致する際にそれらの条件を示した上で入札するのでそれは承諾済みとなること、WHOIの場合はオーバーヘッド分を逆に寄付金として受け取るという条件で決定したので、実質上は問題ない旨回答があった。

・ 石橋委員より、InterRidgeの非英語圏向けアウトリーチ活動が問題となり、ウェブサイトのトップページは各国の言語のものが作成されたとの報告があった。

・ 島委員よりStudent Fellowshipについて報告があった。

*InterRidgeで奨学金を出した。$3000/人

* 応募5名、採択2名。日本から一人応募したが不採択。コメントはオフィスから送られる予定。

*以下の問題点が挙げられる。

①    採択されたのは2名とも英語圏の学生で、非英語圏に不利との意見が出た。非英語圏学生からの応募をサポートする方策を検討している。当事者である学生側から意見を出して欲しい。

②    奨学金の用途について(サンプル分析費を奨学金から出していいのか等)議論中。

③    成熟した研究に出すのか、萌芽的研究に出すのか、奨学金の主旨についても議論中。

 

2. 審議事項

2.1 Steering Committee委員交代

・ 現委員は島・石橋2名であるが、現在4年目の島委員の交代として、来年からJAMSTEC熊谷氏を日本の委員として選出することが提案され、拍手で了承された。

・ 今後も、一人ずつ交代する方針としたい。

・ 委員交代に伴って、国内InterRidge-Japanの世話人は熊谷・石橋・島・沖野とする。

2.2  2008年度分担金について

・ 今年も50%をJAMSTEC負担とすることで調整済み。今年度はIFREE予算であるが、将来的には機構全の予算として継続的に50%負担を可能とする体制をめざす。そのためには本連絡会でコミュニティの了解を得ることが必要。

・ 大学負担分については、当面は新学術領域研究「大河」の採択状況を待ち(内定12月)、採択された場合は「大河」から支出。

・ 「大河」不採択の場合など、昨年までのようにその年に研究費を持っている個人に世話人が個別にあたって分担金を分割払いする方法は限界がある。大学負担分(50%の$12,500)については、小口の継続的出資メンバーを多数募っておき、分担することとしたいとの提案があり了解された。額などについては今後世話人で検討する。

*大学校費・科研費からの支払い費目について質問があり、科研費であれば「その他」、校費などでも日本の分担金の一部として支払い実績あり。これまでの申請書類のモデルなど情報もある。

 

2.3  2007年度InterRidge-Japan会計報告が以下のようになされ承認された。

2007 収入

 

  Oceanography誌頒布時の寄付金

40,500

  雑収入(懇親会残金)

5,902

 計

46,402

2008 支出

 

  連絡会部屋代

20,000

 計

20,000

残金

26,402

 

 (2008年度へ繰り越し)

 

 

3. 連絡事項

3.1 2008年度の観測計画の紹介が各主席研究者からあった。

・ YK08-08 Leg 1、富士原敏也、2008/6/25-7/7、

*中部マリアナトラフ、背弧海盆の溶岩流の年代と発生した原因を調査する。しんかい6Kの3ダイブ、ビザ持ってる学生など募集中。

・  YK08-08 Leg 2、小原泰彦、2008/7/8-7/22

*マリアナ〜チャレンジャーで7ダイブ、背弧系の橄欖岩採取。アメリカIBMグループと共同、残席なし。

・ NT08-13、土岐知弘(琉大)、2008/7/6-7/12

*沖縄トラフ、青い熱水を調査

・  MR08-06 Leg1、阿部なつ江、2008/11/25-12/15・12/17-2009/1/23

*岩石・geochemistry研究者募集中。ベッド数余裕ないが交渉可。

・  KH08-4 Leg 4、沖野郷子、2009/2/1-2/15

*南西インド洋海嶺

*マントル組成と中央海嶺プロセスの解明を目指す。

*乗船希望者(特に船上で岩石採取関係に従事できるひと)募集中

・ 小原氏よりウィークリンク(新しいヒューズワイヤーを使わないドレッジ)の試作品がJAMSTECにあるので使用してほしい旨のコメントがあった。

3.2 2008年度のインターリッジ国内シンポジウムについて、以下の案内があった。

・ 日程:10月30(木)・31(金)日

・  場所:東大海洋研講堂(海洋研共同利用シンポ)

・ コンビーナ:石橋、島、熊谷 海洋研世話人:沖野

・ アブストラクト締切 8月31日、要旨投稿締切 9月30日

・ 航海報告やレビュー、学生の発表など、普段の学会では出来ない発表を期待する。発表する学生分の旅費は出せる見込み。

 

3.3 その他

・ 科研費新学術領域研究「海底下の大河:地球規模の海洋地殻中の移流と生物地球化学作用」の状況について

*昨年特定領域研究に申請しヒヤリングまで進んだものの採択ならず。

*昨年のコメントを受けて計画を再考し、「新学術領域研究(研究領域提案型)」に申請中。

*ヒヤリングに進める場合は8月の予定

・  InterRidge-JメーリングリストにInterRidge(国際)のE-mailニュース転送を開始した。人事異動のあった場合は各自メールアドレス登録を変更のこと。

・ 本大会中InterRidge-J広報を海洋研ブース内で実施中。Oceanography残部等配布。

・ 3月の海洋研共同利用シンポ「海洋リソスフェア学」の予稿集残部あり。阿部(JAMSTEC)まで。

 

以上