Long Range Exploration Work Shop, InterRidge, 28-30 June 2010参加報告

2010/07/05 浅田美穂

一日目

「Long Range Exploration」のタイトル実現に向け既存知識のレクチャーが行われた。

・Joe Cann、Geo-tectonics dynamics of the Ridge-Crest

・Colin Devey、Geology and Petrology of Ridge-Crests

・Chris German、Hydrothermal System of the global MOR

・Cindy Van Dover、Vent biology and biogeography

・Gwyn Griffiths、Vehicles for exploration and their capabilities

・中村光一、Sensors for explorationEh

・Steve Mcphail、Vehicle navigation- current state of the art

・Patrick hichey、Replacement of Alvin

(技術)Alvin改造計画進行中。可能潜航深度6500m、搭乗数3人、観察窓5個、目視観察視野角180°(現行)→245°になる。マニピュレーターが届く範囲も観察範囲も大きく拡大。2011年1月に耐圧容器納入予定。10月Trial 、11月Scientific Trial。

POSTER

・フランスがAUVでEPRを精査した。

・(技術)フランスで二台目のAUVを建造中。可能潜航深度2000mと 3500mに。

・(技術)フランスにおけるAUVの運航は、有人潜水船およびROV潜航チームが担っている。

・(技術)韓国が調査船を建造中。国による研究支援が減少する中で、Mining Companyによる投資があり実現した。将来必ず資源探査に取り組むだろう。

二日目午前

分野毎のBreak Outセッション(Geophysics, Geology (Petrology), and Others (including Biology, Oceanography, Geochemistry))。

Geophysical group members: Joe Cann(PI), Anne Briais (), Marica Maia, Anne Deschamps (ブレスト大学), (リオデジャネイロ大学、Cannの弟子), (KORDI)、山本富士夫、浅田美穂 (JAMSTEC)

・興味ある現象・海域のリストアップ:

Southern MAR(米・英)、アンダマンSea(米)、AAD(仏)Fracture zoneの発達史(仏)、オフアクシスvolcanism(日・仏)、Back-arc spreading system(米)at マリアナトラフ南端(日)、ultra-slow クニポビッチ海嶺(米)、・・・・・

Note:

・フランスでMARを訪れる航海が1つ計画されている。

・Anne BriaisとMarcia MaiaはAADの航海を取りたいらしい。沖野さんG3論文による最近のマルチビームデータがあったことを知らなく、大変な興味を示した。

・AUVに要望する技術のリストアップ:

重力測定、地震波探査(例えばストリーマーケーブルを曳航するなどの技術開発)

・(技術)当面の目標は、海域に到着後AUVをリリースして、母船は他の調査へ向かうこと。

二日目午後

各分野から出だされた意見のリストアップ

・Geologyから、「1㎡bathymetry」「10㎝² sonar」「1㎝² photo」レベルのデータが欲しいと提案

Colinより、各国のunofficialな意見を聞こうかと、JAPAN・KORIAを指名。

熊谷さんにより、CIR三重点付近にr2D4のクルーズがあること、三重点は基礎データがありDetachmentなど対象豊富だからLREが決める観測対象に適していることを発表。

(Colin)日本はSEIRには興味がないのか

(熊谷)日本はむしろSWIRに興味あり。マリオンhotspot周辺で二年に渡る航海を終えたばかり。

(Korea)KoreaはnorthernCIRに興味がある。海賊の脅威がないあたりまで北へ。

(France)フランスではCIR~IR三重会合点~SEにかけての調査計画がある。

三日目

各分野から出だされた海域を再度リストアップ後、調査対象海域の絞り込みを行った。

第一調査対象 赤道Fracture zone in MAR

第二調査対象  Southern MAR

第三調査対象  AAD

第三以降 East Chili Rise、CIR、Gakkel Ridge

概 観

・「Long Range Exploration」の“Long”が具体的に何kmであったらいいのかの認識が、ワークショップ参加者間で統一出来ていない事が分かった。AUVによる北極海横断は話題のひとつだがほど遠い。

・また求める解像度と搭載希望機能も様々。

・一方で、AUVを用いた安定姿勢と漠然たる高精度データを求める声は、非常に高い。

・AUVに望むことはon-shore deployよりもまず、調査海域に到達後deployして母船が自由に別行動を取れること、という一意見があった。

・Nautileとしんかい6500のチーム間交流が既にある現状で、この先AUVに関する情報交換を日仏間で行うことは、難しくないかも知れない。ドイツもこれに加わり、交流を促進させることを本WGから支援してはどうかとColinに進言した。感触は良かったが流れされたらしい。。チーム間でAUV運航失敗経験を共有しあうことは、より少ない潜航経験でより多くのノウハウを得る好機になり、より早く実用的なデータが取れることに繋がると私は考える。

・AUV運航に関してはフランス・ドイツともに日本と似た問題を抱えている:潜航途中で急浮上があったり、地形の急変によって操作困難な状況に陥ったり、逆に地形の急変にもかかわらず定深度航行を続けるなど、課題は多い。どの国も同じレベルだ、と思った。

-----------------8<-------------------- 付録 ---------------------8<--------------------

How to access to a Southampton, England

2010年6月28〜30日、NOC in Southamptonで開催される」InterRidgeのワークショップ“Long Range Exploration”に参加する為にSouthamptonを訪れた。

時差:日本時間 -8時間(サマータイム)

為替:1£=135円程度

(成田空港の千葉興銀で換金時に、144.88円 for CASH、137.88円 for T/C+2%手数料)

航空機:JAL (往路JL401、復路JL402)

成田空港第二ターミナル&ヒースロー空港Terminal 3 発着、

フライト時間:往路12hr.

ヒースロー空港→Southamptonへは長距離バス(Coach、National Express社)を利用:

所要時間2時間程度(はじめ40分間はヒースロー内ターミナルを延々巡回)。

二時間に一本程度で運航。72時間前までならキャンセル可能な事前予約が便利。

Terminal 3 Arrival gateから左手天井の「Subway, Central Bus Station」黄色案内版にしたがって、地下道を徒歩10分程度歩く。地下道途中で地上にエレベーターで出たところが3社程度共通の総合バスステーション。National Expressのチケットカウンターあり。バスでSouthamptonの「 Central Station (Coach Station?)」に到着。Rail Way のSouthampton Central Stationより南にすこしずれた、低地。目の前にトイザらスとベビーザらス、すぐそばにASDA、IKEA。宿まで南下徒歩10分弱。18時半ヒースロー始発20時半過ぎにSouthampton着だが夕方並に明るくて、老人夫婦や子ども連れも見られ、徒歩移動は比較的安全。ただし既に飲んで騒いでいる若者も多数。

宿泊:Mercre Dolphine Hotel、£65/night、4泊

朝食別途、Continental£9、Traditional£13とか。

インターネットアクセスが部屋で可能だが料金別途、現地手続き可能。

すぐ隣のBarはam7:00openでTraditional£3で選べて、FREE Wi-Fi accsessも可能らしい。近くにBar、スーパー、コンビニ、公衆電話があってとっても便利。二本西に入った通りに古い建物が並んでいてお散歩に最適。

中村光一さん、北里さん、Chrisは「Oxford Street」のホテルに宿泊したらしい。NOCから徒歩5分前後、周囲にBarがたくさんあるし、便利そう。