インターリッジ2008年 Steering Committee Meeting Report

文責:石橋純一郎(九州大)


会議日程:2008年10月17-18日

会議会場:ウッズホール海洋研究所(Woods Hole, MA, USA)

アップデート:2009年4月に議事録配布時に加えられた情報を[ ]内に示す。

1.開会挨拶

 インターリッジChair兼今回会議のホストであるWHOIのJian Linより歓迎の辞。

2.2007年会議録の承認、2008年議事録案の承認、StCOMメンバーの確認

 2008年―2009年の間に、以下のStCOMメンバーの変更があった。

 日本: Nobukazu Seama -> Hide Kumagai

 USA: Donna Blackman -> Dan Fornari

 France: Francoise Gaill -> Nadine Le Bris

3.インターリッジオフィス活動報告

3a Coordinatorからの報告

・最近のメンバーシップ

 参加国が30カ国になった(チリと台湾がcorresponding memberとして加盟)。

 個人としては62カ国2500名がweb から登録されている。

 e-mail news は1600人に配信されている。

・2008年 Student Fellowships について

 詳細は10へ、2009年度のために外部資金獲得をISAに申請[承認された]。

・data base の更新(hydrothermal vent, cruise)

 特に、hydrothermal vent database はアクセス急増があり、これに対応して大更新。

・IR Newsletterの編集

・IR statement of commitment to responsible research at hydrothermal vents

 (熱水系研究行動規範)について

 IR Web site から、各研究者が署名を行うことができるようになった。

 OSPAR (Oslo Paris Convention) commission で報告された。

3.b Education and Outreach 活動(実際には、Coordinator が行っている)

・MATE Center ROV competitionのスポンサー(June 2008 at Scripps)

 $250のIR賞を2チームに授与した。

・その他

 雑誌記事などへのインタビューに対応

4.次期(2010-2012年)インターリッジオフィスの募集について

 2010-2012年のインターリッジオフィスとなる研究機関の立候補を受け付ける。

[2009年3月〆切で、UK, National Oceanography Centre, Southamptonが立候補]

5.2007年会議のアクションアイテム整理

 ほぼ3で報告すみ。

6.各国の活動報告

中国:SWIR(南西インド洋中央海嶺)を対象とした長期研究計画(OBS設置など)を展開中。国際協力関係を今後どのように進めるかを議論した。青島で海洋研究スクールを実施した。

フランス:ナショナルプログラムはないが、MoMAR計画への関与を中心に個人ベースで海嶺研究を続けている。太平洋、インド洋への航海も計画中。新しい研究船の計画もあり。

日本:ナショナルプログラムを提案[11月に採択通知、St.COMメンバーから祝辞あいつぐ]。主調査対象海域は、インド洋中央海嶺、南部マリアナ背弧拡大軸、沖縄トラフ、である。2009年7月に沖縄で開催されるChemosysntehsis-Based Ecosystems Symposiumの宣伝。

UK:実施すみ航海および航海計画の紹介

USA:R2Kプログラムの中間評価が高い評価を受けて終了(ただし、integrationとsynthesisが重要とのコメントあり)。ISS(主調査対象海域)に大西洋海嶺を加える予定。R2Kの最終フェーズは2012年に終わる。

インド:航海報告。Indian Ridge Programは数年先まで予算が確保されている。

韓国:新しい砕氷船ARAON建造による南極調査に合わせて、周辺海域の(海嶺研究を含む)海洋研究を展開する計画である[2009/6/10-12にシンポジウム]。

ロシア:Russian Academyof Sciences, Ministry of natural Resources による研究継続。MARで新しいSerpentineタイプの熱水鉱床を発見。

その他:連絡が戻らなくなっている参加国がいくつかあり、コーディネーターから再度確認することになった。[ブルガリアがCorresponding Memberに加わることに]。

7.ワーキンググループ(WG)報告

7.a Biogeochemical interaction at deep-sea vents (14 members, 7 countries)

2004/05 から活動開始、2007にIR Tetoretical Institute を開催した。

SCOR(Scientific Committee on Oceanic Research)にWG 結成を提案[承認]

"Hydrothermal energy transfer and its impact on the ocean carbon cycles"。

ASLO (Aquiatic Science Meeting), Goldschmidt Conference にspecial session提案。

[SCOR WGへ発展的解消する]。

7.b Deep Earth sampling (15 members)

IODPへマントル掘削のプロポーザルを提案中、しかし進展がはかばかしくない。

WG議論で、解消か継続かを議論したが議論が収束しなかった。

IODP-INVEST会議(次期科学計画策定会議)へ向けてRe-energization をすることに。

IODPのSPC会議とリエゾンを交換して問題認識のすりあわせを始める。

[Workshop "Melting, Magma, Fluids, and Life" in 2009/07 の開催を計画]。

7.d Ultraslow spreading ridges

WGの解消を決定した。

7.c Monitoring and observatories(Skypeを使ってフランスから報告)

MOMAR web site のデータベースアップデートを行って居る。

http://www.ipgp.jussieu.fr/rech/lgm/MOMAR/

MOMAR と R2Kのすりあわせを行う場として重要な役割を担い続けている。

以下、新しいWG

7.g - Seafloor mineralization (Maurice Tivey)

WGメンバー調整中(日本から加藤泰浩(東大)、鈴木庸平(産総研)両氏を推薦)。

WHOIでMorss Colloquium(一般向けOR講演会)と合わせてWGを開催計画

[2009/04に開催]。

7.h - Vent ecology

On-going high throughput molecular work のデータベース構築を促進する。

(同じ種を別の国で解析するのは、二度手間だけでなく生物資源の無駄遣い)

4th Symposium on Chemosynthesis-based Ecosystems (名護で開催予定)を準備中。

7.f - Mantle imaging beneath mid-ocean ridges

より多くの国からのメンバー参加を勧告する。

[2011年Workshop開催を計画(日本で開催の可能性大)]

7.e - Long-range ridge exploration

St.COMではちゃんとしたレポートが聞けなかった。

[2009年にWHOI周辺でAUVメーカーの支援を受けてWG会合を開催予定]

8.2008年活動報告(ワークショップ等)

・JOINT IR/ChEss office meting (at WHOI, 2008/01)

   Industrial exploration of massive sulfides & environmental protection

・Ridge2000 MAR Implementation Plan Workshop (at Portland OR, 2008/03)

   $2000 をMonitoring and Observatories WGに支援した。

・5th Asia Oceania Geosciences Society Conference (at Busan, Korea, 2008/06)

・Quingdao Ocean Sciences Summer School, China (at Qingtao, China, 2008/07)

・Magellan Workhop (at Montpellier, France, 2008/09)

    Marine research drilling in the Atlantic region

    $3000 を支援した。

9.2009年活動計画(ワークショップ等)

・4th International symposium on chemosynthesis-based ecosystems (at Nago, 2009/07)

    Vent Ecology WG が共催 $2000 を支援する。

・WHOI Morss Colloquium on Deep-sea mining of seafloormassive sulfides

    (at WHOI, 2009/04) Seafloor Mineralization WGのworkshop を同時開催。

    $2000を支援する。

・Workshop for scientific ocean drilling "Melting, Magma, Fluids and Life"

    (at Southernpton, 2007/07) Deep earth sampling WG が共催 $3000 を支援する。

・ECORD summer school on geodynamics of mid-ocean ridges (at Bremen, 2009/09)

     $3000を支援する。

今後のワークショップ支援決定に関する取り決め(Nobi's rule)を確認した。

1)IRは支援するワークショップをメイルニュース、ウェブなどで周知する。

2)周知が十分できるように(具体的にはレジストレーションに間に合うように)支援の申請を行う。

10.インターリッジ奨学助成について

 2008年度は2名の学生に奨学資金$3000ずつを支援することを決定した。

以下の点が議論になった。

・申請書式が明確なものでなかったため英語圏の学生に有利であった可能性がある

・資金の使途として旅費・滞在費を想定していたが、明記しないと例えば試料分析外注に使用される可能性もある

 2009年度から外部機関(ISA: International Seabed Authority)による奨学資金獲得を目指す[3年間分(年額$30,000)獲得に成功]。

・ISAによる資金は、本来の主旨から発展途上国の学生(+ポスドク)向けとする

・IRから提供する資金をそれ以外の学生向けとする

・支援額は各人$5000とする

・2009/03まで募集

11.インターリッジウェブサイト、メイリングリスト、データベース

 3で報告すみ。次の事務局への移転のための作業をそろそろ考える。

12.他の会議へのインターリッジメンバー派遣

 SCORへ活動報告のため派遣した。

 IODPのSPC(Science Planning Committee)とリエゾンの交換を行う。

13.アクションアイテム整理

14.次回StCOMについて

 2009年7月上旬にフランス・パリで開催予定である。

15.閉会挨拶