日本地球惑星科学連合メールニュース 5月号 No.309 2018/05/10
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└■ 1.巻頭言
公益社団法人日本地球惑星科学連合 会長 川幡穂高

2018年の連合大会は,5月20日(日)から24日(木)までの5日間の日程で幕張メッセの会場で行なわれます.昨年はJpGU-AGU共同開催でしたが,今年は単独開催に戻りました.2018年大会(括弧内は2016年)のセッション数は230 (194),発表論文数は5,001 (4,515)と増加し,皆様の積極的な提案や発表に感謝しております.プログラムなどはウェブサイトで検索していただければと思います.(http://www.jpgu.org/meeting_2018/)
昨年の巻頭言(2017年5月)で, 「幕張」の由来も含めて,東京から千葉にかけての地形についてご紹介するとともに「昆陽神社」の由来について説明しました (http://www.jpgu.org/publications/mailnews/20170510.html).
今年は,京葉線の海岸についてご紹介したいと思います.東京駅周辺から東に向かう電車の中で,最も南よりに走っているのが京葉線で,この線の大半の土地はかつて海の底でした.この数百年間,東京(江戸)沿岸は埋め立て事業が継続されてきました.太田道灌が江戸城を築いた15世紀には,日比谷は「日比谷入江」と名付けられ,海岸線は現在の皇居辺りまで入り込んでいました.
京葉線に乗車して,大きな観覧車が見えてきて,荒川を超えると,「葛西臨海公園」駅(東京都江戸川区)に到着します.「葛西臨海公園」と少し沖の「葛西海浜公園」は,東京湾沿岸都の埋め立てや汚染により破壊された自然環境を再生しようと整備されたもので,保護上重要な野生生物も含め貴重な生態系が維持されています.公園にはマグロも回遊する巨大な水槽を有する「葛西臨海水族館」があります.埋め立て地に作られた東京ディズーランド(浦安市)を超えると,市川市,そして江戸川を渡ると船橋市となります.この周辺には,東京湾奥部最大の面積を誇る干潟である三番瀬(ぜ)があります.ここは,旧江戸川から供給された土砂によって,干潟や浅海域が広範囲に形成され,埋め立てを免れた部分が現存しているという点で,非常に貴重なものと考えられています. 環境省の「日本の重要湿地500」にも選ばれ数百種類を超えるプランクトン,底生生物,魚類,鳥類を育む生態系が維持されています.その後,電車は埋立地を数分走ると「海浜幕張駅」に到着し
ます.
さて,重要な日程についてお知らせいたします.ランチタイムスペシャルレクチャーは, 毎日お昼休み(12:30~13:40)に幕張メッセ国際会議場1階103号室で開催され,昼食持ち込み可能です. インターナショナルミキサーランチョンは, 21日(月)のお昼休み(12:30-13:30)に東京ベイ幕張ホールA06にて予定されています. フェロー贈賞式などの授賞式は22日(火)で,引き続き公式の懇親会があります(東京ベイ幕張ホールA05~A07).企画の方々の努力のおかげで,若い方の懇親会への参加者も増えており,楽しんでいただければと思います.なお,今年の大会の特徴は,千葉大学の樋口先生が大会委員長,大会終了後の25日(金)にフィールドトリップ(「チバニアン」南極観測船と惑星探査研究センター見学),国際会議場1Fに千葉ブース出展,千葉市中央図書館に地球惑星科学関連書籍コーナー設置など「千葉尽くし」となっております.最後になりますが,本年も連合大会にて,皆様とお会いできるのを楽しみにしております.よろしくご参加,ご協力のほどお願い申し上げます.