日本地球惑星科学連合メールニュース 5月号 No.323 2019/5/10
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└■ 1.巻頭言
公益社団法人日本地球惑星科学連合 会長 川幡穂高
今回は幕張メッセに通われる多くの方が使われる「京葉線」の紹介をしたいと思います.始発の「京葉線東京駅」は「東京駅」と別の駅ではないか,と思われる位遠いと感じた方も多いことと思います.アプリで検索すると,新幹線からの乗り継ぎ所用時間は15分間と表示されます.京葉線は1975年に貨物線として計画されましたが,社会情勢も変化し旅客線となりました.都心直結が強く望まれ,最終的に実現しなかった「成田新幹線駅」の予定地に「京葉線東京駅」は作られました.東京駅周辺の地下は,とても混んでいます.東西方向の主要道路として,北から永代通りには東京メトロ東西線が,八重洲通りには地下街が,すでに建設されていたので,鍛冶橋通りが予定候補地となりました.もともと「成田新幹線構想」では,新宿までの延長が計画に含まれていたので,東京―新宿―三鷹延長で中央線接続という夢の構想は今でも消えていません.
東京駅周辺の地下には,丸ノ内線,銀座線,都営浅草線,横須賀線が既にありました.新しい線路を作るためには,それらの下を潜らなくてはならないので,大深度(深さ33.5m)となってしまいました.東京駅の地下水面は地下3階付近にあるので,本来であれば大深度の地下ホームは地下水で溢れてしまいます.そこで,排水などで対処しています.また,東京では高度成長期から地盤沈下を回避するため,地下水汲み上げ制限があり,その影響で地下水位が上昇してきています.そこで,東京駅の地下大空間は「船のように浮力が生じ,駅舎が浮き上がる」という問題が生じています.大深度の地下岩盤にアンカー杭を打ち込むなどして,地下ホームは維持されています.
なお,JRには,山手線は「うぐいす色」,というようにラインカラーがありますが,色決定の明確な理由はないそうです.乗り換えに時間がかかり申し訳ございませんが,「ワインレッド」カラーの京葉線で幕張メッセにお越しくださればと思います.先進的な発表が,皆さまをお待ちしております.
さて,重要な日程についてお知らせいたします.ランチタイムスペシャルレクチャーは,毎日お昼休み(13:00~13:40)に幕張メッセ国際会議場1階103号室で開催され,昼食持ち込み可能です. インターナショナルミキサーランチョンは,27日(月)のお昼休み(12:30~13:30)に東京ベイ幕張ホールA06にて予定されています. フェロー贈賞式などの授賞式は28日(火)で,引き続き公式の懇親会があります(東京ベイ幕張ホールA05~A07).企画の方々の努力のおかげで,若い方の懇親会への参加者も増えており,楽しんでいただければと思います.
最後になりますが,本年も連合大会にて,皆様とお会いできるのを楽しみにしております.よろしくご参加,ご協力のほどお願い申し上げます.