部門紹介
なぜ海底を研究するのか
海、地球表面にあふれる水は、地球表面を化学的に固結させ、リソスフェアを形づくる。リソスフェアは、プレートとなって地球表面を移動し、火山活動、地震活動、造山運動、大陸移動、そして地球のさまざまな環境変動を引き起こす。 海で生まれた最初の生命は、地球変動の数々の大事変に適応しながら、大進化をとげ、地球を生命あふれる星にした。地球内部で対流をつづけるマントルは、海底に顔をだして地殻に変貌し、地球変動の赤裸々な痕跡を残す。その上に降り積もる堆積物は、生命進化と地球環境変動の詳細な記録器だ。 我々は、海底からマントルのダイナミクスを覗き見、海底に残された過去の大変動と、生命進化のなぞを解きおこし、惑星地球の本質を探るために、世界の海に出て行く。 |
研究船白鳳丸に乗船中の学生達(熊野灘沖航海 2017.11) |
海洋底科学とはどんなところか
海洋底科学部門は、観測航海を世界各地で行い、海底から得る様々なデータを解析して地球の進化とダイナミクスを研究する、研究者、ポスドク、学生、技術専門職員、支援スタッフのグループである。研究者の専門分野は、多岐にわたり、調査フィールドも南極海から北極海まで世界中をカバーする。 観測研究は国際共同で行われるものが多く、複数の外国人研究スタッフと留学生の存在と、海外からの共同研究者の頻繁な訪問により、研究室は常に国際的研究環境にある。英語を常用語とするセミナーも週1回開催している。 部門スタッフ、学生が参加する観測航海は、年10回前後におよび、航海準備などの共同作業や、船上の共同生活の機会も多く、部門内は、多忙な中にも、楽しく、エキサイティングで活気にみちた研究勉学環境にある。 |
Dr. Mike Coffinによる特別講義
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海洋底科学部門の教育体制
我々の部門で研究する大学院生は、専攻としては、東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻または同新領域創成科学研究科環境学専攻に所属する。 大学院生は、多彩なフィールド、観測手法、専門分野の中から自分の研究課題を設定し、研究航海に参加し自らデータを取得し、解析処理をして研究を行う。 また外国の研究船による航海に参加し、国際的な研究環境の中で研究を進めている学生も多い。 週3回実施されるセミナーは、教官、ポスドク研究者、大学院学生の最新研究成果の発表と活発な議論で、部門の教育活動の実践と研鑽の場となっている。 |
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