川幡 穂高
東京大学 大気海洋研究所
教授

専門:古気候・古環境,未来環境,次世代型同位体,資源,熱水鉱床,陸域水循環,
生物地球化学循環,精密生物飼育

住所:〒277-8561 千葉県柏市柏の葉5-1-5 東京大学大気海洋研究所

研究室:710号室

電話:04-7136-6140

E-mail:kawahataATaori.u-tokyo.ac.jp (A を @ に置き換えて下さい)

教育

(大学院担当は東京大学大学院理学系研究科,地球惑星科学専攻,地球生命圏です)

(大学院生は,理学系研究科,地球惑星科学専攻,地球生命圏を受験して下さい)

教育テーマ ホモ・サピエンス誕生およびそれに至る地球の46億年におよび地球表層の環境変動は,生物(Bio)・地球(Geo)・化学(Chemical)の物質循環とエネルギー輸送によって決定されてきました.人類が現在利用している資源も「大鉱床は環境が作る」と言葉で表されるように,環境と資源は密接な関係があります.現在,途上国を中心に水問題がクローズアップされてきましたが,水循環に「水質」という情報を付加して,「水惑星」の地球に陸が存在する新たな意義を明らかにしたいと思っています. 20世紀に地球環境問題がクローズアップされました.人間が変え始めた地球環境が及ぼす影響を評価し,人類の将来について考えます.
教育内容 このホームページに概説しますが,授業などで使用した題材も含めて日本語の資料を読みやすい形でも掲載しています(下の方の「PDF」の所をご覧下さい)

最新研究テーマ紹介 [クリックしてください.Pdfファイル (15.8MB) が読めます.]


「人類を育んだ地球環境」そして「人類が変え始めた地球環境」

 私達,ホモ・サピエンス(「知恵のある人」)は約20万年前にアフリカの北東部に誕生し,現在世界中に居住するなど,世界最強の動物として発展してきました.しかし,これは決して単純な発達ではなく,繁栄・衰退を伴うものでした.これに大きく影響を与えたのが気候・環境変動だったと考えられるので,古気候と古環境に強い興味をもっています.

 ホモ・サピエンス誕生およびそれに至る地球の46億年におよび地球表層の環境変動は,生物(Bio)・地球(Geo)・化学(Chemical)の物質循環とエネルギー輸送によって決定されてきました.人類が現在利用している資源も「大鉱床は環境が作る」と言葉で表されるように,環境と資源は密接な関係があります.現在,途上国を中心に水問題がクローズアップされてきましたが,水循環に「水質」という情報を付加して,「水惑星」の地球に陸が存在する新たな意義を明らかにしたいと思っています.陸の風化は地球の水を中和する働きがあり,新生代の大気中の二酸化炭素濃度の減少にも大きな役割を演じたと考えられています.

 さて,人類活動は20世紀に,ついに自然の地球表層システムに影響を与えるほど大きな存在となり,地球環境問題がクローズアップされました.二酸化炭素の濃度の上昇は温暖化のみならず,この気体が酸性気体なので,海洋のpHを下げ,炭酸カルシウム殻を溶解させるので,貝やサンゴなどの生物は今後急速に衰退していくと予想されています.私達は,精密飼育実験などの成果も併せて考慮し,人間が変え始めた地球環境が及ぼす影響を評価し,人類の将来について考えます.

1. 人類を育んだ地球環境「考古・歴史学との共同研究」

 人類の誕生と進化,人間社会の変遷は地球環境による影響が大きかったと推定されています.歴史時代の人間社会の進化と気候・環境との関係も含めて,気温などを定量的に復元し,社会との関係を考えます.[フィールド:陸奥湾,広島湾,大阪湾,東京湾,アデン湾,ミャンマー国沖,タイ国沖,韓国沖など]

2. 人類が変えだした地球環境「私達の未来を占う環境学」

 大気中の二酸化炭素の増加は海洋酸性化をもたらし,近い将来,深海底で炭酸塩殻生物が絶滅に至ると予想されます.推定される環境条件で,精密飼育実験を行い,環境に呼応する生物の仕組みを明らかにするとともに将来の地球環境について考えます.

3. 大規模元素濃集体の限界に関する研究「資源と地球システム」

 物質循環と鉱物資源の形成は密接にリンクしています.研究対象は,ある元素について地球史上最大のタイプの鉱床とします.なぜなら,「最大」すなわち「限界」は,地球システムにより規制されているからです.資源の研究を通して固体地球も含めた「地球システム」の本質にせまりたいと思っています.

[フィールド:縞状鉄鉱床,トルコ国ホウ素鉱床,アンデス高地リチウム塩湖,アメリカ合衆国リン鉱床,アラスカ州亜鉛鉱床など]

4. 次世代同位体が拓く地球システムにおける物質循環の研究

 今後大発展が期待される次世代型同位体(Li, B, Ca, Mg, Si,Fe, Zn, I, Sr(87Sr/86Srでなく88Sr/86Sr))分析を駆使しながら,資源から環境まで含めた物質循環研究を目指しています.現在は世界的に研究段階は開始されたばかりの第一段階にあり,将来大発展すると期待されます.

5. 陸域の水環境「アジアの水環境」

 ラムサール条約に含まれる水環境(河川,湖沼,湿地,地下水,サンゴ礁など)を研究対象としています.実は,河川は,概して,大気への二酸化炭素の大放出源の場となっています.[フィールド,ガンジス川,ブラマプトラ川,イワラジ川,メコン河,長江,釧路湿原,厚岸湖・別寒辺牛湿原,霧多布湿原,サロベツ原野,猪苗代湖,霞ヶ浦など]

6. 海底熱水鉱床と海洋「新ホモール計画(IODP)」

 地球表層環境を駆動するのは,核融合で生み出される太陽光です.一方,地球内部では核分裂でエネルギーが供給されています.新たな海洋地殻の誕生,それに伴う熱水活動は地下生物圏という,光合成システムとは全く異なるシステムを有しています.その基礎となる熱水循環系の統合的な理解を目指しています.今後はマントルも含めた地球深部と地球表層が相互に影響しあって今日の生物圏を含めた地球環境を作っているという「WHOLE EARTH 物質循環と地球表層環境の進化」を探求し,新しいパラダイムに到達したいと思っています.

[フィールド:オマ−ン・オフィオライト,トルードス・オフィオライト,IODP掘削孔など]

7. 微化石と環境

 微化石は海洋底の堆積物を構成する重要な要素です.有孔虫を中心として,古環境解析,間接指標開発,酸性化実験などを行ってきました.他の微化石も含めて殻の組成を介して環境復元を目指しています.

8. サンゴとサンゴ骨格気候学

 サンゴ礁は純粋な炭酸系を研究するのに適したフィールドです.炭素循環(海洋酸性化)を通じた将来の環境への呼応,骨格に記録された環境復元を介したアジアモンス−ン・エルニーニョ・南方振動のプロセスを理解したいと思っています.

PDF(授業などで使用した題材も含めて資料を読みやすい形でも掲載しています.)

PDF11. 最新研究テーマ紹介

11 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

PDF21. 以前研究テーマ紹介(2014年まで掲載分)

21 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

PDF3. 考古・歴史時代環境テーマ紹介

PDF31. 平城京都市環境(奈良,東大寺大仏)

31 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

PDF32. 三内丸山遺跡環境

32 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

PDF33. 縄文時代のまとめ

33 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

PDF41. 現代の環境と資源問題(今世紀の課題)

41 [クリックしてください.Pdfファイルが読めます.]

大学院生・若手研究者を歓迎します.この分野の探究に意欲ある若手研究者(博士研究員(PD)),および大学院生(M, D)も歓迎しています.大学院受験の場合には,理学系研究科・地球惑星科学専攻・地球生命圏科学グループ(なお,当研究室を受験する時には,志望欄の「地球生命圏科学グループ」に○をつけてください.(http://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/

また,ご関心のある方は,どうぞ気楽にメール等(kawahata@aori.u-tokyo.ac.jp)で連絡下さい.また,研究室の見学なども可能です.



→メンバー紹介/川幡 穂高